コンサートなどで、1つの演奏が終わった後観客から「ブラボー!」という声がよく聞かれますよね?
今日はあれの話です。
ブラボー:イタリア語を語源としており、 綴りはBravo、「素晴らしい」「見事な」「勇敢な」などの意味を持つ形容詞です
クラシックコンサート、特にオペラや声楽のリサイタルなどでは、このイタリア語の語尾変化(性・数による変化)を厳密に使い分けるのが正式なマナーとされています。
・Bravo ブラボー / ブラーヴォ 男性 単数 (1人)男性ソリスト、男性指揮者1人に対して
・Brava ブラーバ / ブラヴァ 女性 単数 (1人) 女性ソリスト、女性指揮者1人に対して
・Bravi ブラーヴィ 男性 複数 (2人以上) または 男女混合の複数 2人以上の男性演奏家、室内楽のグループ、男女混合の合唱団などに対して
・Brave ブラーヴェ 女性 複数 (2人以上) 女性のデュオ、女性だけのグループなどに対して
クラシックの熱心なファンやオペラ愛好家の間では、本場イタリアの慣習を重んじて上記のような使い分けがされています。
しかしながら、一般的にオーケストラ全体に対して賞賛を送る場合は、指揮者が男性であれば指揮者に向けてBravoを、女性であればBravaを、また英語圏では、簡易的に対象が誰であってもBravo (ブラヴォー)をそのまま感嘆詞として用いることが一般的だそうです。
よかったです。
さて、ここから本題ですが、
この「ブラボー」を演奏が終わっていないのにも関わらず発するのは重大なマナー違反とされていて、これを「フライング・ブラボー」と呼んでいます。
演奏を楽しんでいる他の観客の迷惑になりますし、演奏者からしても演奏を邪魔されることになりますからね。
観客としても教養がないとみなされる恥ずかしい行為です。
クラシック音楽を鑑賞するような教養の高い人達はほとんどしないことではありますが、たまに事件が起こることがあるですよ。
実はつい最近、2025年10月10日にも名古屋フィルハーモニー交響楽団 第538回定期演奏会でこの「フライング・ブラボー」が発生したんです。
曲目:アントン・ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調
指揮者:トーマス・ダウスゴー
この演奏会で、特にブルックナーの交響曲第8番の演奏後、曲の余韻が残っていて指揮者がタクトを完全に下ろす前の静寂の瞬間に、客席から「フライング・ブラボー」が発せられました。
これに対し、名古屋フィルハーモニー交響楽団は翌日の2025年10月11日に、公式X(旧Twitter)で異例の投稿を行いました。
「様々なご意見があるかと思いますが、終演後の早すぎる『ブラヴォー』は、私どもにとってうれしいものではございません。完璧な静寂の方が、はるかにうれしいです。今日は、指揮者も楽員も事務局員も、失望を感じておりますので、あえて投稿いたします。」

「ブラボー」は指揮者がタクトを完全に下すまで待つ。
分からない場合は、下手に知ったかぶりせずに他の人が「ブラボー」を発するのを待つ様にしましょう。


コメント