フジコ・ヘミングに魅せられた「漁師」

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 フジコ・ヘミングさんは、2024年4月21日すい臓がんのため亡くなりました。
 ご冥福をお祈りいたします。

 フジコ・ヘミングと言えば、1999年に放映されたNHKのドキュメンタリー番組『フジコ~あるピアニストの軌跡~』ですよね。

 皆さんの中にもあの番組でフジコ・ヘミングを知ったと言う人は多いのではないでしょうか?
 番組により、彼女の壮絶な人生と情感あふれる演奏が大きな反響を呼び、一躍脚光を浴びました。

 同年にリリースされたデビューアルバム『奇蹟のカンパネラ』は、クラシック界では異例のミリオンセラーを記録。(200万枚以上)
 国内外でのリサイタルはソールドアウトとなり、一躍、「魂のピアニスト」として絶大な人気を獲得しました。

 あのカンパネラは良かったですね。
 リンクを掲載しておくので聞いてみてください。
 後、私のお気に入りの「ため息」も追加しておきます。

ラ・カンパネラ(フランツ・リスト)

ため息(フランツ・リスト)

 このアルペジオは左手から始まって右手に移り、そこから左手を右手に交差させて弾き、また右手→左手と戻ってくるような動きで演奏されています。
 両手のそれぞれのパートが継ぎ目なく演奏され、大きな音のうねりがあたかも「ため息」ように聞こえます。

 プロなんで当たり前ですが、クラシックピアノ曲の中でも最難曲とされる「ラ・カンパネラ」を何でもないように弾いて芸術作品に仕上げるのはさすがですね。
 一節には、素人がラ・カンパネラを弾けるようになるには毎日の長時間練習をしたとしても5~7年かかるそうです。
 普通は断念するレベルです。
 私もイントロの部分だけやったことがありますが、すぐに「これは無理」って思いました。

 何せ右手の親指と小指で離れたところにある音をすばやく正確に弾かないといけなくて、しかも聞いた人がうっとりするような美しい音出ないといけないんです。
 必ずミスタッチするし、どんな音で弾くかなんて考えれられないです。

 でも、世の中にはそれを成し遂げた人もいるんですよ。
 その人はなんと佐賀の海苔漁師、徳永義昭さん(52歳)。
 それまでピアノなんて何の縁もない人生だった。
 クラシックにも興味なかった。
 そんな人がある日、偶然見たフジコ・ヘミングの番組でそのラ・カンパネラの演奏に心を奪われる。
 「音色が綺麗かった」「この曲弾きたかな」(これは私も共感!ピアノを弾き続ける原動力はこれです)
 そこから「ラ・カンパネラ」だけのために、毎日5時間から8時間というプロ顔負けの練習を続けます。
 そして、約7年かけて人前で演奏できるレベルに到達したのです。

 こちらの番組で、徳永さんはフジコ・ヘミングに直接会うことができて、しかも自分の演奏を聞いてもらった。レッスンもつけてもらった。
 フジコ・ヘミングから「一人でそこまでになさったことは考えられない」「あなたの人間性が音に伝わっている」の言葉、私も涙が出てきました。

 人間、何歳になっても自分がやりたいと思ったことをやるのに遅すぎることはない。
 必ず成し遂げることができる。
 そう信じさせてくれるエピソードでした。

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