・純正律(じゅんせいりつ)
・平均律(へいきんりつ)
音楽に詳しくない方にはちょっと聞きなれない単語かなと思います。
音楽には調性(ハニホヘトイロの長調・短調)
和音を弾いたときにうなりが聞こえるのが平均律、聞こえないのが純正律です。
純正律は完全に和音が溶けあって一つの塊として聞こえ、これを「天使の歌声」と呼ぶ人もいます。
(世界的に有名なウィーン少年合唱団は純正律の響きを重視した音程訓練を行っていることで知られています)
簡単に言うと、楽器の奏でる音階と言うのは1つの調性(例:ハ長調)を選択すると、その調整で完全に綺麗な音にするように調律すると、同じ楽器で別の調性を演奏すると音が完全な和音を奏でることができなくなるんです。
(この場合の完全な音と不完全な音と言うのは音感の優れた方でないとわからない程度の微細なものですが・・、後述の動画を聞いてみてください)
純正律で調律した楽器は特定の調性でのみ完全な音を出すことができるので、調整の異なる曲を弾くたびに調律師が必要になります。ビジネスとして楽器を販売する場合、そんな不便な商品を売ることはできないため、一般的に販売されている楽器は平均律で調律されています。
平均律と言うのは特定の調性に合わせるのではなく、調律不要で1つの楽器で全ての調性の演奏が可能なようにちょっとずつのずれを許容する調律法とも言えます。
現在市販されている楽器は平均律で調律されていて、純正律の音がどんなものかを聞く機会はほとんどないと思います。
聞いてみたいと言う方はこちらを聞いてみてください。(違いが判りますか?)
最近の電子ピアノは純正律の音を出せる商品もあるみたいです。
興味のある方は探してみてください。
バッハの「平均律クラヴィーア曲集」と言う曲の名前を知っている人もいるかもしれません。
この曲はこの平均律を世に広める上でとても重要な役割を果たしました。
バッハが生きた18世紀初頭、鍵盤楽器の調律はまだ完全な平均律ではありませんでした。
特定の調(ハ長調など)は美しく響くものの、転調すると音が濁ってしまう「不均等な調律法」が主流でした。
バッハは、当時の鍵盤楽器の改良された調律法(ほぼ今の平均律に近いもの)を用いることで、すべての長調と短調、合わせて24の調で自由に演奏できることを証明するためにこの曲集を作曲しました。
彼はこの曲集を通じて、転調がスムーズに行える新しい調律法の有用性を示したのです。
「平均律クラヴィーア曲集」は、その音楽的な美しさと構成の巧妙さから、モーツァルトやベートーヴェンなど、後世の作曲家たちに大きな影響を与え、彼らの創作の基礎となりました。
例えば、ショパンやリストのエチュードは「平均律クラヴィーア曲集」が示す24の調性を使いつつ高度なテクニックと音楽性を要求する曲となっています。
正に「平均律クラヴィーア曲集」がなかったら彼らの作品は生まれなかったと言えるでしょう。
この曲集の存在によって、平均律という考え方と、それがもたらす可能性が広く知られるようになり、最終的に平均律が今日の主流な調律法として定着するきっかけとなりました。
こちらの記事が気にってくれた皆さんにはこちらの記事も興味を持っていただけそうです。
ご参考までに。


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