ショパンがこの曲を作曲した時、ショパンは恋人のジョルジュ・サンドとその子供たち(サンドの連れ子、ショパンとの子供ではない)とマヨルカ島(地中海にある、スペインの東側にある島)に静養に訪れていたそうです。
このジョルジュ・サンドと言う人はリストの愛人であったダグー伯爵夫人とも友人関係で、作家であり、男装して葉巻を吸うなど当時の女性としてはかなり変わった人だったようです。
面白いので、また別の記事で取り上げようと思います。
ある日、サンドは子どもたちと連れ立って買い出しに出かけ、ショパンは一人で修道院に残ることになりました。
ところが、突如として激しい嵐が襲い、大雨が降り始めたのです。
道がぬかるみ、嵐が吹き荒れる中、サンド一行の帰りが遅れます。
ショパンは愛する恋人の身を案じ、不安な気持ちで過ごしました。
その日、どれほど待ってもサンドたちは戻らず、降りやまない雨音が修道院の壁に響き続けていました。
この時の、単調ながらも絶え間なく続く雨音から着想を得て、ショパンはこの「雨だれの前奏曲」を作曲したと伝えられています。
曲中の最初から最期まで一定テンポで続くG#の連打が雨粒を表現していると言われています。
曲の中央部(中間部)で短調に転調する部分に注目してください。
ここでは、単調だった雨音がまるで激しい嵐へと変わったかのように、不穏で重苦しい雰囲気が描かれています。
これは、サンドの安否を案じるショパンの、心の動揺や不安な気持ちを表しているかのようです。
しかし、終盤はまた長調に戻り、天候の回復を暗示させます
そして、サンドたちも無事に修道院に戻ることができました。
彼女は、ショパンが不安で憔悴しているだろうと考え、急いで戻ったと言います。
すると、ショパンはピアノに向かい、帰りを待つ間に書き上げた楽譜を見せました。
それがこの「雨だれの前奏曲」だったのです。
サンドは、この曲を聴いて「マヨルカ島の修道院の雨音そのものだ」と語ったそうです。
降りやまない雨と不安な心が生んだこの名曲は、単なる美しい旋律だけでなく、ショパンの繊細な心情が刻み込まれた、まるで音の絵画のようです。
これくらいなら弾けるかなと思い、私も挑戦してみました。
意外かもしれないけど、月の光(全音C難度)よりこっち(全音E難度)のほうが難しい曲なんですよね。
でも月の光の方がなんかすごい曲を弾いている気がする。
こういうのを「月の光の方がコスパが良い」と言うそうです。
素人ピアニストの中にはコスパで選曲している人も多いらしいですね。


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